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狐の嫁46

橋を渡る途中、妙な音を耳にした。
ショキショキ…ショキショキ…。

気になったので河川敷に降りる。

辺りを見渡せど誰もおらず。
ただショキショキいう音だけが聞こえる。

これはアレだな。いつものやつだ。
経験上、相手をするだけ損。ここは退散退散。

無視を決め込み、踵を返した目の前に…

「かぼちゃ?」

かぼちゃだ。目鼻口と刳り貫いたかぼちゃのお化け。

「ギャーッ!!」
「相変わらず大げさだな」

と、ひょいと顔出す見知った顔。狐。かぼちゃの生首抱えちょる。

「…何、それ?」
「拾った。煮て食おう」

拾ったって…ああ。ハロウィンか。

「て、一ヶ月くらい前じゃないか?」
「大丈夫、痛んでない」

まあ…冬だしね。

狐は先帰ると言い残し、こーんと鳴くと、くるり回転し、どろんと消えた。

さてこっちも帰るか…と、足元になんか当たった。
笊?こんもりと小豆が乗ってる。

…そういやもうすぐ冬至か。

by zan9h | 2008-12-11 23:55 | 狐の嫁 | Comments(0)