人気ブログランキング | 話題のタグを見る

狐の嫁22

マリモ。
緑色したまるい物体。綺麗な湖に生息する。天然記念物かなんか。

土産で養殖したのが瓶に入って売ってる。
生き物らしいが、生きているか傍目にはよくわからない。
そんなよくわからんもの飼って何が楽しいのか…サボテンと同じノリか?

ところで朝、鏡を見ると頭髪が爆発していた。
まるでアフロ。ドライヤーかけても直りません。

「毛羽毛現だね」

狐が言った。

「は?」
「毛の妖怪」
「またとり憑かれたのか…」

このところよくとり憑かれます。

「で、どうしたらいい?」
「切ればー」

ニヤリと笑い取り出したるはハサミとバリカン。

「ちょっと待て。全部刈る気ではあるまいな?」
「うふふふふ」

狐はこーんと鳴くと、逃げる先にくるりと回り、どろんと火花散らして煙を撒いた。

「ギャー!目がーっ!!」

眩む隙突かれジャギジャギのゾーリゾリ。

眼球が回復する頃には時既に遅し。
ボウズがおる。

「高校球児か!夏だけになっ!」

鏡に突っ込むも虚しく木霊する。狐はとっくにとんずらこきやがった後の祭り。

まあ…ともあれ妖怪の魔の手から免れたのだ。良しとするか。
ところでどんな祟りがあんだ?興味が湧いたので図書館で調べる。

『毛羽毛現は鳥山石燕の創作です』

…。
梅雨時のヘアケアは大事だね。飼うならマリモだね。

by zan9h | 2008-07-15 21:57 | 狐の嫁 | Comments(0)